わたしを光へ。
「あれ、今日って花那ちゃん来ないんだっけ?」
隣を歩いていた洸が不意にそんなことを言った。
いつも通り、私と洸で駅まで花那を迎えに行っているところだった。
「来るはずだよ?」
「姿なくない?」
洸に言われて私も花那の姿を探す。
大抵コンビニの前に居るのだが、そこにも、見渡す限り何処にも花那は見つけられなかった。
もしかしたら学校が遅れているのかもしれない。
そう洸と話して、いつもとは逆に私たちが花那のことを待った。
何分か経って、洸の携帯が着信を知らせた。
「どうした?……分かった、すぐ行く」