わたしを光へ。

「ごめん美月、滝口からだった。白鳳に行かないと。悪いけど今日は倉庫に来ないで、後で必ず話すから」


酷く急いだ様子で一方的に言う。


「うん、分かった。気にしないで早く行って」


「気を付けて帰るんだぞ」


すぐに小さくなっていく背中を見送って、考えあぐねる。


このまま帰ってもいいんだけど、花那と入れ違いになったらいけないし。


でも連絡がないということはやっぱりまだ学校に居るのだろう。


そう自己完結して今日は白鳳に行かないと花那に連絡を入れる。


電車が来る頃、花那から了解のメールが届いた。


入れ違いにならなかったことに安堵する。

< 256 / 301 >

この作品をシェア

pagetop