わたしを光へ。
それにしても白鳳に何か起こったのだろうか。
あの洸の慌てぶり、良くないことがあったのではないかと思ってしまう。
私が白鳳に入ってから、他の族との交戦などは無かったように思う。
それこそ私がまだ何も知らなかったとき、拉致された以来は。
だからなのか、胸が微妙にザワザワする。
電車を降りると、丁度良いタイミングで花那から着信が入った。
もしかしたら花那の方が早く家に着いてるかも、と思いながら携帯を耳に当てた。
「花那?」
電話の向こうは、不自然な程の静寂。
数秒経って聞こえた、私を呼ぶ声。
身の毛がよだつって、きっとこれのことだと頭の隅で考えるくらいには混乱していた。