わたしを光へ。
Ⅲ
姿が見えなくなってすぐに落とされていた携帯の電源を入れる。
不在着信がズラっと並んでいた。
その全ては洸からだった。
母からは外泊を了承した以外の連絡は無い。
洸に電話をかけるとすぐに出た。
このときはもう加賀くんに脅されているとか、そんなことまで頭が回らなくて。
ただ洸に会いたい、それだけだった。
「っ美月!?」
この声を聞いただけで、今までの緊張感、恐怖、罪悪感だとかが一気に溢れて、涙が止まらない。
「どこにいる!?」
「えき…」
すぐ行くと言って切られた電話。
少なくも見放されてはいないのだと分かって安心する。