わたしを光へ。
何分か経って、本当にすぐ訪れた洸は私の姿を見つけると焦った顔で走って来た。
泣きじゃくる私を力一杯抱きしめ、背中を摩る。
「ごめんなさい…っ」
洸を裏切った私は、ひたすら謝ることしか出来なくて。
「私、汚い…、」
加賀くんに触れられた所全てが穢らわしくて。
それでも洸は私のことを否定しなかった。
「美月は汚くない。大丈夫、何も変わってない」
優しい言葉をかけてくれる度、余計に涙が溢れた。
「もう泣くな。大丈夫だから」
洸は何度も大丈夫と言う。
頬を伝う涙を、洸が指で拭ってくれる。
もう何も考えたく無い。このまま洸の腕の中にいたい。