わたしを光へ。

「花那は?」


母の様子は何も変わっていない。


おかしい。あの後何があったのか。


「上にいるわよ」


階段を登って花那の部屋の前に立つと、ノックをしてから一思いにドアを開ける。


目に映ったのは、焦っている私の顔を見て、キョトンとして此方を見る花那。


「お姉ちゃんおかえりー、早かったね。てかやっぱり洸さんとお泊まりだったんだ」


私はすぐに返事をすることが出来なかった。


どうなってるの…?


いや、花那が正常ならそれでいい。


だけどこんなのまるで何も覚えていないみたいじゃない…。


覚悟していた罵りは、全くされなかった。


< 278 / 301 >

この作品をシェア

pagetop