わたしを光へ。
「今理由がやっと分かった。恐らく加賀は本気で美月を手に入れるつもりだったんだろう」
どこまでも纏わりついてくる加賀くんの手。
体にあの夜の感触を思い出して、寒気がした。
隣に座る洸と触れる肩だけが、唯一温かく安心できる。
「連盟を組んでいる筈の族から攻撃されるなんて、あってはならないことだ。だから他の族にも今回のことを伝えて、白鳳が赤黎に制裁を加える」
今回のことっていうのは、美月のことじゃなくて赤黎が攻撃してきたことだ、と付け足される。
まるで私の責任じゃないよ、と言ってくれているようだった。
ここまでされて白鳳も黙ってはいられないのだろう。
私もそれを止める気などなかった。