わたしを光へ。
倉庫が静寂に包まれる。
加賀は酷く狼狽えた。
赤黎のメンバーは何のことかさっぱりと言った様子でただ事の成り行きを見守っていた。
「どんなことをしたって、お前は絶対に美月を手に入れられないんだよ」
この一言が、音が聞こえるほどに加賀を突き落とした。
加賀に反論できる力が残っていないのは、脱力してやっと立っているその様子から見て取れた。
今更ながら、花那ちゃんを壊したことには流石に責任を感じているのかもしれない。
此処に来る前は、絶対に一発は殴ってやろうと本気で思っていた俺も、目の前の加賀に拳を突き付けようとは思えなかった。
「白鳳から加賀に要求することは二つ。赤黎の総長を辞めることと、あの二人に近付かないことだ」