わたしを光へ。
Ⅴ
その日はそのまま倉庫に泊まり、平穏になってから迎えた初めての朝。
隣で洸が打った寝返りで、目が覚めた。
カーテンから入る光で今日は快晴だと分かる。
私の方を向いた洸がゆっくりと目を開けた。
薄く開いた目が、微笑みで曲線に歪む。
洸が隣にいるだけで、世界はこんなにも明るい。
ベッドボードに置いてある携帯を手探りで取る。
夜中のうちに届いていたメールが一件あった。
『今までごめん。
俺はこの街から居なくなるから安心して。
もう二度と会うことはないけど、俺は美月を忘れることはない。
月を見上げる度に美月を想う。
愛してる』
差出人は、加賀秀人。
無言で洸に画面を見せる。
一通り読んだ素振りを見せ、そのメールは消されることなく返ってきた。