わたしを光へ。
もちろん放課後までに終えることなんて出来ず、とりあえず生徒会の会議に向かうことにした。
「氷室くん」
その途中、廊下ですれ違った彼。
進学校には珍しいちょっとした不良で、いつも制服を着崩している。
同じクラスだし、私の役柄上、それを見過ごすわけにはいかない。
「制服、ちゃんと着てくれるかな」
他の誰に対するものとなんら変わらない笑みで。
そんな私を彼は冷たい目で睨みつける。
だけど表情を少しも変えない私を見て、諦めたのか舌打ちをしてその場から立ち去りながら着崩した制服を直した。
会議の内容は相変わらず生徒会役員選挙のことで、再びそれぞれに仕事が割り振られ、解散となった。
その頃には空は薄暗くなっていた。
だけど明日の朝早く来るのも嫌だし、プリントの仕事を片付けてから帰ろう。
そう思って教室の扉を開けると、氷室くんが机で寝ていた。
特に会話をするわけでもなく、私は仕事をこなす。