わたしを光へ。
「美月…!」
戦いを終えた相澤くんが私の元へ駆け寄る。
彼は私を抱きしめる寸前で押し止まった。
きっと、彼の服には至る所に血が付いていたから。
だけど、無意識に震えてしまっていた私を見て、肩を抱き寄せ急いでこの建物から連れ出した。
外の空気を吸って、幾らか落ち着いた私。
それを見て彼は少しホッとしたように見えた。
「本当にごめん。無事で良かった…」
私の体に温もりが広まる。
彼は血の付いた上着を脱いで、私を抱きしめた。
それの温もりに私も恐らく、安心した。
私を心配してくれた彼の抱擁は至極安楽だったから。
だけど、彼の仲間の視線に気付き、私は彼の手から離れた。
「あ、俺らのことは気にしなくていいから。続けて続けて」