わたしを光へ。
一人がそんな適当な感じで言う。
だけどその顔は完全に面白がっているようなそれで、とてもじゃないけど続けられるはずがない。
「美月、ごめん」
相澤くんがそう言うと、それに合わせて頭を下げる五人。
一人の女に五人の男が頭を下げるというのは異様な光景で。
だけど実際、美月にはこの事件が彼らの所為なのかが分からなかったから。
「頭を上げて。謝らなくていいから」
美月はいつもの優等生の笑みで、そう言った。
その笑みを彼らがどう思ったかは分からない。
だけど、この状況で完璧な作り笑いを浮かべる美月には、薄ら怖い何かがあった。
「とりあえず今日は家まで送るから。明日、話がしたい」
美月はそれに頷いて、彼らと別れた。