わたしを光へ。
Ⅲ
放課後、私は教室で相澤くんを待っていた。
今日は丁度良く生徒会の仕事も無かったから。
教室には氷室くんと、クラスメートが数名いるだけ。
大体の人は、部活に行ったか、もう既に帰ったのだろう。
氷室くんも私に話しかける訳でもなく、自分の席で携帯を弄っている。
「美月」
相澤くんが私を呼ぶ。
それを聞いて私は彼の元へ向かった。
後ろからは氷室くんも付いて来る。
これから行く場所はきっと、昨日の人たちがいるところ。
「ちょっと歩くけど、大丈夫か?」
それに頷き、私たちは無言で歩いた。
空気が重いとか、しんみりしているとか、そういうのじゃないけど、話すのは今じゃない、そんな感じ。
駅裏の繁華街をさらに抜けた所、相澤くんはそこで立ち止まった。