わたしを光へ。
「俺らは白鳳っていう暴走族だ。俺が総長をやっている」
やっぱり、暴走族。
しかも相澤くんは総長。
平和じゃないそのワードに少しだけ心臓がドクっとする。
「暴走族と言っても悪いことをして暴れている訳じゃない。繁華街で騒ぐ奴らを統制するために俺らはいるんだ」
あの繁華街で問題が起こってニュースになったことは数回あった。
暴走族にも、良い族と悪い族というものがあるのかもしれない。
「昨日美月を攫ったのは黒燐という族だ。あいつらはここら辺で騒ぎを起こしてばかりなんだ」
「黒燐は白鳳に反発をしていて、俺らを倒そうと隙を突いてきた。それで狙われたのが総長である俺の彼女の美月、という訳だ」
確かに非力な私を攫えば効率よく白鳳を誘き出せるだろう。
呆気なくやられてしまったけど。