わたしを光へ。


「分かった。今すぐ決めてもらわなくていい。でも」


真っ直ぐに見つめられる。


「俺は美月を離す気は更々ない」


低く甘く響く声。


容赦なく私の中に入り込んでくる。


離さないだなんてそんな、戯れ言を。


「私だって、貴方から離れる気はない」


激しい恋情に焼かれて。


私はもう既に彼に囚われていたのに。


美月の壮絶なまでの潔い雰囲気は、彼らに酷く扇情的に映った。


「上等だ」


整った薄い唇を片方だけ上げて、満足そうに笑う。


「じゃあ、櫻木は洸の女ではいるけど白鳳の仲間になるかは保留ってことだな?」


一通り聞いた氷室くんが纏めてくれる。


それに皆んなが納得してくれているのかは分からないけど、そういうことだ。


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