わたしを光へ。
返事がないことを肯定だと受け取ったのか、続けて言う。
「洸って呼んでよ」
彼が歩みを止める。
「呼んでくれないの?」
元より身長差がある私たちは、自然と彼が私を見下ろす。
端正な顔が月明かりに照らされ、やけに魅惑的に映る。
彼は一歩、私に近づく。
私の後頭部に片手を回した。
「呼んでくれないと…、」
「分かったっ、呼ぶから」
本当に狡い男。
きっと私の反応を面白がっている。
自分の前では私が冷静でいられないのを見透かしているんだ。
「…こ、う」
「全く、堪らないな」
そう呟いたあと、私を引き寄せて唇を合わせた。
私の内部を強引に開かせたのに、その行為は酷く優しくて。
この男は依存性が高すぎる。