わたしを光へ。
3
Ⅰ
相澤洸と付き合ってから、美月の美しさは輝きを増したように見えた。
元より派手な美しさは無いものの、整った顔をしていた。
それに完璧な微笑。
あれが作り笑いだと見抜けない大抵の人は、いつも微笑んでいる美月に惚れる者も少なくない。
成績優秀で、生徒会役員の絵に描いたような優等生。
それが相澤洸と付き合いだしてから、今迄には無かった美しさを魅せるようになった。
美月は、笑った顔、怒った顔、困った顔。それらがまるでインプットされたかの如く表情を作る。
だが相澤洸と話しているときは確かに感情を見せる瞬間があるのだ。
その相澤洸越しの美月を見て、惚れた者が更に増えた。