わたしを光へ。
あれ以来忙しくて、二人で出掛けたことなどなかった。
「良かったら、私の家に来ない?」
思っても見なかった美月の言葉に、驚き過ぎて変な声を出すところだった。
「私の妹が、洸に会いたいって」
驚きはしたが、拒否する理由なんて無い。
いつもは玄関の前で別れていたのを、今日は一緒に中に入る。
柄にもなく少し緊張していた。
気に入られなかったらどうしよう、とか。
だけどそんな心配は杞憂に終わった。
俺は見事に優等生を演じきり、美月のご両親に気に入られた、と思う。
夕飯をご馳走になった後、美月の部屋で妹の花那ちゃんと三人で話すことになり。
俺の感じていた違和感が、確かなものになった。