わたしを光へ。

「美月って門限ある？」


暫く経ち、洸が口を開いた。


「一応。九時」


素っ気ない私の態度に洸が黙る。


美月を演じなくていいって言うから、いつも張っている気を抜いて、何も考えずにただ、この場にいる。


だから今の私は笑顔も浮かべていないし、柔らかい話し方でもない。


「何よ。やっぱりいつもの方がいい？」


そう言って洸の方を向くと、その顔に驚いた。いや、引いた。


顔を緩めて、ニヤニヤしていたのだ。


「堪んない。俺だけに見せる美月だろ。うわー、やっぱり他の人の前ではそれ見せるな」


「…変態」


見せられる訳がないのに。