わたしを光へ。

「で、話戻すけど」


一転、真剣な表情になる。


「出来るだけ白鳳の倉庫にいろ。このままだとお前が壊れる」


「私はそんなに弱くない。壊れたりなんか、しない」


美月はまだその高潔な精神を手放しはしなかった。


高みに在る美月の清すぎる精神と、強い光が宿る漆黒の瞳に洸は圧倒される。


少しでも理性を欠けば、美月に飲み込まれる。


けれども目を離すことは出来なかった。


「…いいから、黙って聞け。俺が美月に此処にいてほしいんだよ」


そう言って逃げ道を作ってくれる洸の優しさに、美月は不服そうながら頷いた。


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