わたしを光へ。


幹部室に入ると、不貞腐れる古賀くんを、滝口くんが宥めていた。


氷室くんに至ってはガン無視だ。


氷室くんっぽいって言えば、そうだけど。


「あ!やっと来た美月ちゃん〜」


私を見つけるや否や、笑顔になる古賀くん。


「うん、ごめんね」


やはり洸の前でしか美月は己を出さない。


それを洸は不本意ながら、嬉しくも思っていた。


「おい洸!美月ちゃんを独り占めしてんじゃねーぞ!」


喧嘩を吹っかけてはその度にやられているのに、性懲りなく彼はまた言う。


もう、そういう性分なんだろうな。


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