わたしを光へ。


「煩い。喚くな」


いつもの如く相手にされない。


それでさらに怒りがヒートアップする古賀くんを、滝口くんが宥めて。


それを温かく見守っている小峰くんがいて。


相変わらず見向きもしない氷室くんがいて。


私はそれが無性に、幸せに思った。


これが日常で、そこに私がいられることが、とてつもなく温かく。


本気で、この時がずっと続いてほしいと思った。


「そういえば、美月ちゃん誕生日いつなの?」


滝口くんに宥められて復活した古賀くんが言う。


「来週だよ」


そう答えた私に、皆んなの視線が一斉に集まる。


「来週って、来週の何曜日?」


「日曜だけど…」


驚いた表情の皆んなに見られながら、何となく語尾を濁して答える。

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