わたしを光へ。
Ⅱ
日曜日。
支度を終え、洸を待とうと家から出ると既にそこには彼がいた。
「ごめん、待たせちゃって」
初めて見る洸の私服姿。
いつもより大人っぽく見える。
「ううん。それより今日の美月、可愛い」
二人でいるときの洸は美月に激甘で、恥ずかし気もなく素直に褒める。
それに微妙に顔を赤らめる美月を見て、洸は美月に対する愛しさが募るばかりだった。
「今日はどこ行くの?」
自然と手を絡ませる二人。
美月の顔には作られた笑顔はないものの、時折見せる本物の表情があった。
「隣駅でやってる展覧会。美月、気にいると思うよ」
どうやら内容は着いてからのお楽しみの様だ。