わたしを光へ。
日曜日ということもあり、電車内はとても混雑していた。
人に押し潰されそうになる私を、洸はさり気なく庇ってくれる。
立ち振る舞いが、慣れているんだろうなと思わせる。
知らなかったな、私こんなこと思えるんだ。
洸に出会ってから初めての感情ばかりだ。
「はい、チケット」
会場の前で、予め買っていたらしい洸に手渡される。
「ありがとう。いくらだった?」
財布を出そうとすると、その手を止められる。
「いいよ。誕生日なんだから」
私を見つめる真っ直ぐな瞳に負けて、その言葉に甘えて中に入った。
最初に目に入ったのは、空を撮った大きな写真。
青い空に白い雲と黄色い光が映える。