わたしを光へ。


「美月、誕生日おめでとう」


どうやらそれは、私へのプレゼントらしかった。


「生まれてきてくれてありがとう」


その言葉だけで私は救われた気持ちになる。


洸が私を認めてくれるだけで、私は私でいられる。


「開けてみて」


洸に手渡された袋の中には、リボンでラッピングされた箱が入っていた。


丁寧にそれを解き開けると、中には一粒の石が煌めくネックレス。


「ダイヤモンドの宝石言葉は、永遠の絆。俺らなりの幸せを作っていきたいなって、思って。クサいとか、思わないでほしいんだけど」


洸の顔が見れなかった。


こんな、泣いている顔を見られたくなかったから。


< 90 / 301 >

この作品をシェア

pagetop