わたしを光へ。

涙を拭って、洸と向き合う。


「ありがとう。本当に嬉しい」


私のために選んでくれたかと思うと、何とも言い表せないくらい嬉しくて、幸せで。


洸が私の唯一であるように、私も洸の唯一でありたいと思った。


食事の最中に彼が話した、今週忙しかった理由。


それはこのプレゼントを買うためにアルバイトをしていたのだという。


自分の稼いだお金で買いたかったからと。


その事実は私が感じていた不安を消し去り、また嬉しく、申し訳なくも思った。


「私、洸と出会えて本当に良かった」


嘘偽りない精一杯の告白。


きっと彼には伝わってくれる。


美月を、見つけ出してくれた人なのだから。



< 91 / 301 >

この作品をシェア

pagetop