わたしを光へ。
洸が驚くのも無理はない。
校則で禁止されてはいないものの、櫻木美月にピアスはギャップがありすぎる。
「美月、穴開いてたっけ?」
私は首を横に振る。
「洸に開けてほしい」
言うなれば、一生消えない傷を洸に刻んでほしかった。
それも良いと思ったのかもしれない。
洸は納得した顔をして、何処か部屋に入った。
そして帰ってきた彼の手にはピアッサーと、あのピアス。
金属が耳たぶに入ってくる感覚。
思っていたよりも痛みはなく、あっという間に両耳に穴が開く。
鏡を見ると、私の耳にはあのピアスが煌めいていた。
皆んなと同じ、仲間という印。