わたしを光へ。

呼ばれた方を向くと、皆んなが私のことを見ていた。


「ようこそ、白鳳へ」


滝口君にそう言われ、仲間になった実感が途端に湧いてきた。


自分の体なのに、そうじゃないみたい。涙の止め方が分からない。


私って、こんなに涙もろかったのか。


洸と白鳳に出会ってから泣くことが多い気がする。


それまで私、泣いたことなんてなかったのに。


此処にいると感情が抑えきれなくなるんだ。


洸が私の前に立ち、皆んなから隠す。


「泣くのは俺の前だけにしろよ」


と私の耳元で言い、総長室へと抱きかかえて連れていかれる。


皆んなからは野次を飛ばされるけど、そんなこと気にしていないみたいだ。


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