その視界を彩るもの





マストアイテムはツケマにカラコン。

一番始めにがっついたのが直径15センチのメガサイズ。でもあたしの場合それだと白目がほぼカラコンに侵食されることになって、色々と試した挙句に落ち着いたのが現在の14.2センチ。



―――と、まあ。そんなのは別にどうでも良いんだけどさ。




「初《うい》ー」

「ん」

「ちょっとマジ、聞いてないっしょ」

「一応きいてる」





前触れ無く伸ばされた声に必要最低限の台詞を返すあたし。

しかしながら、机上に広げられた雑誌に尚も視線を向けていたことがいけなかったらしく。





「だからマジ、これマジメな話なんだけど」

「……だから聞いてるってば」









パサリ、簡素な音をたてて取り払われたファッション誌。

あたしが夢中になっていたそれはいつの間にか(たぶん)友人であるアカネの手に渡っていて、思わず不審さながらに眉根をぎゅっと寄せるものの。




「今日の放課後なんだけど」






自らこのグループの「リーダー」であることを豪語するほど強気な彼女からして見れば、きっとあたしの行動なんて然して気に掛ける必要も無いんだと思う。







< 11 / 309 >

この作品をシェア

pagetop