その視界を彩るもの




あんなに「助けになりたい」って思ったのに。

頼ってきてくれていることが心から嬉しかったのに。


あたしは結局「その現場」を目にして直ぐに然るべき行動を取ることができなかった。

少しは予想できた筈なのに。

梢ちゃんの過去を考えれば自ずと「そうなってしまうだろう」って、解ってた筈なのに。


ぶっちゃけこういうときに護って欲しくて、イサゾーは彼女の過去をあたしに打ち明けたんだと思うのに。

いざという時に護れないなら、あたしが存在する意味なんてあるのだろうか?



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