その視界を彩るもの




【次は俺がアンタを――】


その言葉を忘れたわけじゃない。

でも今私がホントウのことを言わなきゃ初さんが「ああ」なってしまう。

あの日の私と、同じになってしまう。






「勇兄!初さんが攫われた!私を犯した連中に連れ去られた!初さんを助けてッ、勇兄――!!」






出逢ってから今まで、私は初さんに沢山の感情を教えてもらった。

見捨てるなんてできる筈ないじゃない。



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