その視界を彩るもの
‥‥やっとの思いで到着した学校では、全てを完璧にこなせた訳ではないにしろ何とか「普段」通りに過ごせたと思う。
でもあたしの通う高校はやっぱり共学だから。
「篠崎!元気だったか?」
「ッ、‥‥」
「や、山岡ァー!初ちょっと具合悪いから!まだ無理だから!言いたいことあるならあたし挿んで!」
今までなら何の違和感も感じずに接することができていたクラスメイトの男子にすら、異常なほど委縮してしまった。
そのたびに身を滑り込ませて救いの手を差し伸べてくれたアカネに心底感謝した。
アカネだけじゃなくて、ユカリやアキホも助けてくれた。
‥‥色々あったにも関わらず今まで通りに、いや今まで以上に親身になってくれるから泣きそうになった。
勿論「嬉し泣き」の意味で、だけれど。
あのときちゃんと和解できて良かったなって。
もしもあのままの状態をずっと引き摺っていたなら、間違いなくあたしは今この場に居ないから。