その視界を彩るもの
本当はあたしだって解っていた。
幾ら「今は」「今は」って逃げていても、いつかはこうして向かい合わなきゃならないんだってこと。
雨に濡れたイサゾーはあの日助けに来てくれた彼そのままだった。
ほら、思い知らされる。
あたしの想いはこんなにも強大で、自分ひとりじゃ抱えきれないほど膨れ上がっていて。
‥‥イサゾーは「友だち」としてあたしを心配‥‥或いは同情してくれていたんでしょ?
ねえ気付いてよ。
こんなに気持ちが擦れ違っちゃったら、たぶんもう「友だち」には戻れないよ。
あたしはイサゾーとの友情に縋りたいんじゃない。
―――こんなにも、「好き」なんだから。