その視界を彩るもの




『濡れてる』


妖しげな笑みと共にあたしに視線を寄越したイサゾー。

今の表情だけはどうしても見られたくなくて、思い切り両手で顔を覆うも直ぐにはぎ取られてしまって。




「待、‥‥うッ、動かさないでっ‥‥」

『なにを?』

「ゆ、指いッ!‥‥んんッ」

『エッロイ顔』


下着越しでも解るほど的確に与えられる刺激に段々と呼吸が荒くなる。

だから顔を隠したいのに、イサゾーは直ぐにはぎ取っちゃうし!

「いつもの奴は何処に行った」‥‥そう思うほど、今のコイツのSっぷりは半端じゃなかった。






『あ』

「‥‥あッ、!? ん‥‥ッく」

『わり、指がすべった』


そんなの絶対に嘘に決まってるじゃん!

狡猾にも口角を上げながらそんなことを口走るイサゾーを余っ程睨んでやりたかったけれど、たぶん今のあたしじゃ無理だろうから早々に諦めた。


今まで下着越しに擦ってきていた奴の指は、ペラリと下着を横に退けて直接ソノ場所を触れ始めて。

今度こそ我慢しきれなくて時折口から声が飛び出す。

自分でだって触れたことのない最奥まで、イサゾーの指は容赦なく攻めてくる。






「やめッ、は、恥ず‥‥ッあ!」

『ヤダ。ほらウイ、聞いてみ?すっげえ音‥‥ズッチャズッチャいってる』

「言、うなって、のッ! ‥‥~~ッ」



どうやらこの王子はドSに変身する性癖をお持ちらしい。



< 306 / 309 >

この作品をシェア

pagetop