その視界を彩るもの
一頻りよがるあたしの反応を愉しんだあと、『さて』と切り出したイサゾーはギラついた目であたしを見据えて何やら考え込んでいる様子。
その目は確実に渦中のアソコを見つめている。
「にゃ゛!?」と真っ青になりながら身体を反転させるあたし。けれどドS大魔王は止まらない。
『股ひらけ』
「(もうヤダ恥ずかし過ぎてしぬ‥‥)こ、こう?」
『隠してる手、どけろ』
「なんで!?」
顔を青くしてピーピー騒ぐあたしなんて意に介する素振りすら無く、力ずくでコッチの手を退けてアソコと睨めっこし始めるイサゾー。
信じられない!
信じられない!
信じられない!
もう恥ずかしすぎて涙も出てこないし!
なんでそんなトコ見つめるの!?そんなに見たって何にも良いこと無いだろうよ!!
て言うかコレってこんなに恥ずかしさを伴う行為なの!?
『‥‥もうちょいだな』
「なにが!?」
もう訳の分からないイサゾーの台詞に突っ込むのも疲れてきたし。
だけど次の瞬間、そんな思考は全て吹っ飛ぶことになる。
「‥‥ひ!?――‥アッ、!!」
あろうことか指だけじゃなく舌まで突っ込んできたイサゾー。
意図せず飛び出した喘ぎを抑え込むように顔を両手でしっかり覆う。
その間にも奴は攻め続けるものだから快楽の海に溺れて死んでしまいそうだ。
舐めるたびに水音が部屋中に響き渡るから、それが耳に届くたびに野性的なこの行為を自覚させられてもう本当にどうしたら良いか分からなかった。
『‥‥、‥‥ウイ?』
「‥‥なんでそんなとこ舐めるのよお‥‥もう、イサゾーと顔合わせらんない」
『なんで』
「恥ずかしいからに決まってんじゃん!!」
やっぱり強制的に顔を覆う手を引っ剥がしたイサゾーと、合わせられる視線。
奴はそのままあたしの目尻に滲む涙を唇で掬い取った。