その視界を彩るもの
『ごめん。でも、初めてだとやっぱ痛いだろうから慣らさないと』
「‥‥あたしだって良く分かってないから‥‥アソコのことなんて」
『あとさ』
ごにょごにょと小言ばかり並べるあたしの目の前を、イサゾーの引き締まった身体が通りすぎる。
いつの間に脱いだんだろう。そんなことも知らなかった。
‥‥だけど戻ってきたその手に握られたスポーツタオルを見て、思わずギョッと目を見開く。
「な!なにそれ‥‥なにに使うの‥‥?」
『ん? ウイの目元隠すために』
ニッコリと洗練された笑みで口許を飾った奴はそのままゆっくりと近付いてくる。
は、初めてなのに目隠しプレイ!?ちょっとハードルが高すぎやしないでしょうかお兄さん‥‥。
だけどそんな予想は直ぐに覆されることになる。
だってイサゾーはやっぱり、ちゃんと考えてくれていた。
『まだ見なくていいんだよ。ゆっくり、慣らしていこうな』
「んッ」
目元を長いタオルで覆われたその直後のこと。
再び指でのアソコの愛撫が始まったと思えば、「カチャカチャ」とベルトの外される音がする。
それで全てが理解できた。
今きっと、あたしの身体が少し竦んでしまったこともイサゾーはちゃんと解ってる。
『ウイ、愛してる』
直後に襲ってきた痛みだって、イサゾーと一緒なら「愛しさ」に変わるから。
【END】