無愛想な同期の甘やかな恋情
「っ……穂高、く」


ベッドに組み敷かれた体勢で、彼を見上げているこの状況に、ドッキンと胸が弾む。


「昼間も言った。もう、遠慮はしない」


穂高君は、短く区切るように言って、ベッドに膝をついて乗り上げてきた。
私の顔の横に両肘を突いて囲い込み、再びキスを仕掛けてくる。


「んっ、あ……」


胸の奥底に潜めていた熱情が迸るような、深いキスに翻弄される。
私は応えるのに必死で、もうなにも考えられない。
思考が、麻痺していく――。


彼の唇が離れたけど、まるで余韻を追うように、私たちは最後まで舌先を触れ合ったまま。
穂高君は、ベッドを軋ませて膝立ちになった。
大きく胸を喘がせ、息を乱す私を見下ろしながら、シュッと音を立ててネクタイを抜き取る。


らしくなく急いた様子でシャツのボタンを外し、勢いよく脱ぎ捨てる彼に、私の鼓動のリズムが狂う。
穂高君は、インナーのシャツをお腹から捲り上げて頭から抜き取った。
ぶるっと頭を振って、乱れた髪を揺らす。


「お望み通り。俺のこと、もっと好きにさせてやる」


抑えられない情欲が、穂高君の目の下を赤く染め、そこに男の色香が匂い立つ。
< 134 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop