無愛想な同期の甘やかな恋情
「ほ、穂高く……」
「美紅」
突然名前で囁きかけられ、私はビクッと身体を震わせた。
「え? あの、ほだ……」
「俺の彼女でいいんだろ。これからは、そう呼ぶから」
私の呼びかけは、有無を言わせない早口で遮られる。
「お前の名前ってさ。化粧品の企画するために付けられたみたいだなって、ずっと思ってた。ずっと、呼んでみたかったんだ。……美紅」
らしくなく浮かれた調子で、私の名を何度も口ずさむ穂高君に、なんともくすぐったい思いが胸に広がる。
「ず、っと、って」
どうしようもなく照れ臭くて、私はボソッと呟いた。
それを聞き拾った彼が、「え?」と聞き返してくる。
「穂高君って。その……いつから私のこと、好きだったの?」
そおっと振り返りながら訊ねると、彼がグッと言葉に詰まった。
そして、私の視線から逃げるように、つっと横に目線を流す。
「え? 穂高君?」
その反応が不思議で、促すように名前を呼んでしまう。
「それ……言わなきゃ、ダメ?」
なんだか歯切れの悪い返事に、私は何度も瞬きをした。
「え、っと。ダメ、ってことは」
でも聞きたい。
そんな思いは胸の奥に隠して、そう呟く。
「美紅」
突然名前で囁きかけられ、私はビクッと身体を震わせた。
「え? あの、ほだ……」
「俺の彼女でいいんだろ。これからは、そう呼ぶから」
私の呼びかけは、有無を言わせない早口で遮られる。
「お前の名前ってさ。化粧品の企画するために付けられたみたいだなって、ずっと思ってた。ずっと、呼んでみたかったんだ。……美紅」
らしくなく浮かれた調子で、私の名を何度も口ずさむ穂高君に、なんともくすぐったい思いが胸に広がる。
「ず、っと、って」
どうしようもなく照れ臭くて、私はボソッと呟いた。
それを聞き拾った彼が、「え?」と聞き返してくる。
「穂高君って。その……いつから私のこと、好きだったの?」
そおっと振り返りながら訊ねると、彼がグッと言葉に詰まった。
そして、私の視線から逃げるように、つっと横に目線を流す。
「え? 穂高君?」
その反応が不思議で、促すように名前を呼んでしまう。
「それ……言わなきゃ、ダメ?」
なんだか歯切れの悪い返事に、私は何度も瞬きをした。
「え、っと。ダメ、ってことは」
でも聞きたい。
そんな思いは胸の奥に隠して、そう呟く。