無愛想な同期の甘やかな恋情
信頼への裏切り
その夜、私の家で、穂高君と肌を重ねた後――。
弾んだ息が落ち着くのを待って、「穂高君」と呼びかけた。
モゾッと身を捩り、仰向けで横たわっている彼に向き合う。
穂高君は額に腕をのせて、微睡みかけていたけれど。
「……ん?」
短く反応して、私に目線を下げてくれた。
「八月の企画会議ね。私は発表しないんだけど、後輩の篠崎君のフォローしてるの」
私がそう告げると、彼は額から腕を退け、顎を引いて私を見下ろしてきた。
「だから、もしかしたら、穂高君に意見求めることもあるかも。……って」
彼のきょとんとした目に、私は首を傾げる。
「な、なに?」
「いや」
穂高君はわずかに眉尻を下げ、なにやら苦笑いで返してきた。
「まさか、事後で甘いはずのピロートークで、仕事の話されるとは」
「えっ? あ、ごめん!」
確かにこれじゃ、さっきまでの甘いムードが台無しだ。
私は慌てて謝り、恐縮して身を縮めた。
穂高君は、それにも「いや」と返してくれる。
クスクス笑う声が降ってきて、私はそっと上目遣いの視線を彼に向ける。
「……呆れてる?」
「俺は、美紅の仕事に向き合う姿勢も込みで、好きになったから。お前らしくて、いいと思うよ」
弾んだ息が落ち着くのを待って、「穂高君」と呼びかけた。
モゾッと身を捩り、仰向けで横たわっている彼に向き合う。
穂高君は額に腕をのせて、微睡みかけていたけれど。
「……ん?」
短く反応して、私に目線を下げてくれた。
「八月の企画会議ね。私は発表しないんだけど、後輩の篠崎君のフォローしてるの」
私がそう告げると、彼は額から腕を退け、顎を引いて私を見下ろしてきた。
「だから、もしかしたら、穂高君に意見求めることもあるかも。……って」
彼のきょとんとした目に、私は首を傾げる。
「な、なに?」
「いや」
穂高君はわずかに眉尻を下げ、なにやら苦笑いで返してきた。
「まさか、事後で甘いはずのピロートークで、仕事の話されるとは」
「えっ? あ、ごめん!」
確かにこれじゃ、さっきまでの甘いムードが台無しだ。
私は慌てて謝り、恐縮して身を縮めた。
穂高君は、それにも「いや」と返してくれる。
クスクス笑う声が降ってきて、私はそっと上目遣いの視線を彼に向ける。
「……呆れてる?」
「俺は、美紅の仕事に向き合う姿勢も込みで、好きになったから。お前らしくて、いいと思うよ」