無愛想な同期の甘やかな恋情
彼はふふっと吐息混じりに笑いながら、私の髪に指を通している。
「あ、あの頃から、リリカルな女って思ってたの……?」
ベッドに埋まって消えそうな声で、ボソボソと訊ねる。
穂高君はちゃんと聞き取ってくれたのか、私の頭をグリグリと撫でた。
「直前で気が変わった、って言ったろ?」
はっきりと耳に届いた返事に導かれ、私はそおっと顔を上げる。
ベッドに両肘を立て、もう一度上体を浮かせると、穂高君は片方の腕を枕にした格好で、私を見上げていた。
「男の俺には、化粧品が魔法のアイテムなんて言う、女の気持ちはわからないけど。俺の専門の化学で、非現実的なものを作り出せるのかって考えたら……」
「か、考えたら?」
そこで意味深に言葉を切った彼に、私はそおっと訊ねる。
穂高君は、一度ジッと私を見つめて、ふっと目力を解いた。
そして。
「無性に、ワクワクした」
「っ……」
「あれから、心のどこかで気になってた。一緒のチームになってからは、好きになるの、止められなかった。あの時、お前の言葉を聞けたから、今の俺があるんだ。……俺にとっては、美紅が魔法使いだったんだろうな」
予想もしていなかった答えに、私の鼓動はドキドキと高鳴っていく。
なんだかとても、胸が熱くて。
なにか言いたいのに、胸がいっぱいで口を開いても声にはならない。
ただ、穂高君をジッと見つめるだけしかできず――。
「あ、あの頃から、リリカルな女って思ってたの……?」
ベッドに埋まって消えそうな声で、ボソボソと訊ねる。
穂高君はちゃんと聞き取ってくれたのか、私の頭をグリグリと撫でた。
「直前で気が変わった、って言ったろ?」
はっきりと耳に届いた返事に導かれ、私はそおっと顔を上げる。
ベッドに両肘を立て、もう一度上体を浮かせると、穂高君は片方の腕を枕にした格好で、私を見上げていた。
「男の俺には、化粧品が魔法のアイテムなんて言う、女の気持ちはわからないけど。俺の専門の化学で、非現実的なものを作り出せるのかって考えたら……」
「か、考えたら?」
そこで意味深に言葉を切った彼に、私はそおっと訊ねる。
穂高君は、一度ジッと私を見つめて、ふっと目力を解いた。
そして。
「無性に、ワクワクした」
「っ……」
「あれから、心のどこかで気になってた。一緒のチームになってからは、好きになるの、止められなかった。あの時、お前の言葉を聞けたから、今の俺があるんだ。……俺にとっては、美紅が魔法使いだったんだろうな」
予想もしていなかった答えに、私の鼓動はドキドキと高鳴っていく。
なんだかとても、胸が熱くて。
なにか言いたいのに、胸がいっぱいで口を開いても声にはならない。
ただ、穂高君をジッと見つめるだけしかできず――。