無愛想な同期の甘やかな恋情
「美紅」


穂高君が、私の頭の後ろに手を回し、力を込めた。
私は彼の手に抗うことなく身を委ね、まるで自分からするみたいな体勢で、キスをした。
優しく唇を食むようなキスを何度か交わして、ゆっくり唇を離す。


どこか潤んだ瞳で私を見上げる穂高君が、どうしようもなく色っぽい。
彼から目を離せないまま、無意識にゴクッと唾を飲んだ私に。


「俺のこと、今、どのくらい好き?」


穂高君が、探りかけてきた。
遠慮のない直球の質問に、私の胸がドキッと跳ねる。


「初めてシた時は、多分勢いもあったよな。スタートラインがどの程度だったか、確認できなかったのが残念だけど。でも、今は……」

「……うん」


私はヒクッと喉を鳴らしてから、消え入りそうな声で返事をした。


「あの時よりも、もっと好き」


そう告げて、今度はちゃんと自分から穂高君にキスをした。
軽く重ねて少し押し当て、それだけで唇を離す。


子供みたいなキスでも、私からしたというだけで、心臓が壊れそう。
穂高君は、パチパチと何度も瞬きをしていたけれど……。


「美紅。おいで」


両腕を伸ばして、私を誘ってくる。
私は、素直に彼に身体を預けた。
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