無愛想な同期の甘やかな恋情
「それとも……あの企画、私が諦めないのは、まだ間中さんと創りたいからだって、そう疑ってた?」
心の中に、どす黒い霧が広がり始めるのを感じながら発した声は、自分でも驚くほど低かった。
穂高君もハッとしたように私に視線を戻す。
「違う。俺は……」
反射的に、といった様子で口を開いたものの、彼はすぐに言葉をのんでしまう。
結局、穂高君がなにも言ってくれないから、私たちの間に重苦しい沈黙が流れた。
「……おい」
それまで、息を殺して私たちのやり取りを聞いていた間中さんが、やや遠慮がちに声をかけながら、こちらに歩いてくる。
「歩武。どういうことだ? ちゃんと説明しろ」
カツカツと足音を立て、私たちの間に割って入り、穂高君の肩をグッと掴む。
「冴島さんの言うことが本当なら、お前がしたことは企画の不正操作とみなされる。グループ長として聞く。俺だけじゃなく、冴島さんも納得できる理由を話せ」
強く肩を揺さぶられても、穂高君は顔を伏せ、口を開こうとしない。
「冴島さんの後輩の古谷ってヤツが、企画案をずっと考えてたっていうのが、嘘だった場合……冴島さんの企画を盗んだってことだし、それにお前が加担した。そういうことになるんだぞ?」
心の中に、どす黒い霧が広がり始めるのを感じながら発した声は、自分でも驚くほど低かった。
穂高君もハッとしたように私に視線を戻す。
「違う。俺は……」
反射的に、といった様子で口を開いたものの、彼はすぐに言葉をのんでしまう。
結局、穂高君がなにも言ってくれないから、私たちの間に重苦しい沈黙が流れた。
「……おい」
それまで、息を殺して私たちのやり取りを聞いていた間中さんが、やや遠慮がちに声をかけながら、こちらに歩いてくる。
「歩武。どういうことだ? ちゃんと説明しろ」
カツカツと足音を立て、私たちの間に割って入り、穂高君の肩をグッと掴む。
「冴島さんの言うことが本当なら、お前がしたことは企画の不正操作とみなされる。グループ長として聞く。俺だけじゃなく、冴島さんも納得できる理由を話せ」
強く肩を揺さぶられても、穂高君は顔を伏せ、口を開こうとしない。
「冴島さんの後輩の古谷ってヤツが、企画案をずっと考えてたっていうのが、嘘だった場合……冴島さんの企画を盗んだってことだし、それにお前が加担した。そういうことになるんだぞ?」