無愛想な同期の甘やかな恋情
九月に入り、八月の企画会議の結果が報告された。
本人の自信通り、そして、周りの予想通り。
古谷さんの企画が通過した。
彼女の企画が通ったのは、これが初めてだ。
仲間たちに祝福され、古谷さんも興奮を隠せず、頬を紅潮させていた。
「これも、穂高さんのおかげだもの。プロジェクトチームの研究主任は、穂高さんが就いてくれたらいいのになあ」
浮かれた口調で、そう言っているのが聞こえた。
彼女を囲んだ仲間たちが、私を気にするかのようにチラッと視線を流してくる。
「いやいや。穂高さんは『AQUA SILK』があるし、無理でしょ」
それには、古谷さんが不服そうに頬を膨らませる。
「専属ってわけじゃないんだし。アドバイザーくらいの立場なら、無理ってことはないでしょ。だって、穂高さんが継続してくれた方が、どう考えても効率的じゃない」
私は自分の仕事を進めながら、彼女のボヤキを耳に挟み、ついつい苦笑してしまった。
古谷さんの気持ちはわかる。
だって、彼女が言うのは、まさに三年前……初めての企画が通った時の私の願望、それと同じだ。
本人の自信通り、そして、周りの予想通り。
古谷さんの企画が通過した。
彼女の企画が通ったのは、これが初めてだ。
仲間たちに祝福され、古谷さんも興奮を隠せず、頬を紅潮させていた。
「これも、穂高さんのおかげだもの。プロジェクトチームの研究主任は、穂高さんが就いてくれたらいいのになあ」
浮かれた口調で、そう言っているのが聞こえた。
彼女を囲んだ仲間たちが、私を気にするかのようにチラッと視線を流してくる。
「いやいや。穂高さんは『AQUA SILK』があるし、無理でしょ」
それには、古谷さんが不服そうに頬を膨らませる。
「専属ってわけじゃないんだし。アドバイザーくらいの立場なら、無理ってことはないでしょ。だって、穂高さんが継続してくれた方が、どう考えても効率的じゃない」
私は自分の仕事を進めながら、彼女のボヤキを耳に挟み、ついつい苦笑してしまった。
古谷さんの気持ちはわかる。
だって、彼女が言うのは、まさに三年前……初めての企画が通った時の私の願望、それと同じだ。