無愛想な同期の甘やかな恋情
「けど、その前から、古谷さんが穂高さん宛てに送ったメールの対応をしていました。で、穂高さんから依頼された冴島さんの企画を見て、驚いたんです。いろんなところでニュアンスは違うけど、企画コンセプト自体は、よく似ていたから」


私は呆然として、ストンと椅子に腰を下ろした。
なんだか胸がドキドキと騒いでいる。
無意識にそこに手を当てる私に、堀田さんが「すみませんでした」と頭を下げた。


「穂高さんに結果を報告した後、今回冴島さんは見送るそうだって聞いて。古谷さんにとって、最高のチャンスになるなって、そう思ってしまったんです。だから、とにかく急がなくちゃって。今回の会議に間に合うよう、励まして協力しました」

「そう……だったんだ」


頭の中に散らばっていた、いくつもの疑問の点が、一本の線になって結びつく。
真実がはっきりとした輪郭になって現れ、私は胸元をギュッと握りしめた。


「で、でも。あの……堀田さん、どうして穂高君の名前で返事をしてたんですか?」


そこがどうしても引っかかり、私は遠慮がちに訊ねてみる。
すると、


「っ……」


堀田さんは、なぜだか返事に窮して口ごもった。


「それは、あの……」
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