無愛想な同期の甘やかな恋情
しっかり閉まっていないカーテンの隙間から、薄く鈍い日光が挿し込んでいる。
この数日、ぐずついた梅雨空が続いたけど、どうやら今日は晴れ間が期待できそうだ。


私はベッドから片方ずつ床に足を下ろし、窓辺に歩いていった。
欠伸を噛み殺し、ガシガシと頭を掻きながらカーテンを開けると、予想通り、薄曇りの空に白っぽい太陽を確認できた。


身体を動かしたおかげで、意識がはっきりしてきた。
少しずつ思考回路も覚醒していき、同時に、猛烈な喉の渇きを覚える。


私はズキズキ痛む頭を摩りながら、部屋を出てキッチンに向かった。
冷蔵庫からお茶のペットボトルを取り出し、コップになみなみに注ぐ。
冷たいお茶を、ゴクゴクと一気に喉に流し込んだ。


水分が枯渇していたのか、飲むそばから全身に沁み渡っていくような気がする。
大量のアルコールのせいで干上がっていた身体が、潤いを取り戻していく。
すべて飲みきり、ふうっと口をすぼめて息を吐く。
そして、その時になって初めて、自分の格好に意識が向いた。


「あちゃ~……」


マンションに帰ってきた途端、力尽きたんだろうか。
私は、昨日の通勤着のままだった。


今、素足なのを見ると、無意識にストッキングは脱いだのだろう。
でも、ネイビーのボックスプリーツのスカートは、悲しいくらい皺だらけ。
プリーツが伸びてしまっている。
< 46 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop