無愛想な同期の甘やかな恋情
ベビーピンクのパフスリーブのサマーニットも、心なしかヨレヨレだ。
玄関の方に顔を向けると、昨日履いていたヒールはだらしなくひっくり返っているし、バッグも放置されている。
なんとも酷い有様だ。
「なんたる失態……」
私は昨夜の自分にがっくりして、玄関にバッグを取りに行った。
軽く腰を曲げてバッグを持ち上げながら、なんでこんなになるほど飲んだんだっけ?と首を傾げる。
部屋に引き返す間、昨夜の祝賀会を最初から思い起こしていって――。
「っ……!!」
部屋に足を踏み入れた途端に、記憶が全部戻ってきた。
その中で一番のショッキングな出来事が、最後に脳裏に浮かび、心臓がドクッと大きな音を立てて跳ね上げる。
その拍動が引き金になって、唇に押し当てられた柔らかい感触まで蘇ってきた。
「そ、そうだ、私! なんで、穂高君とキス……!」
動転して口走った言葉で、私はさらに慌てる。
体温が一気に二度くらい上昇したみたいに、全身がいきなりボッと火照り出す。
立っていられなくなって、私はその場にペタンと座り込んでしまった。
その姿勢のせいか、今も目の前に、薄く目を開いて私の反応を探る穂高君がいるような気がして――。
「っ!」
私のより少し硬い彼の唇が、下唇を食むように動いたことを、思い出してしまう。
身体の芯でなにかがきゅんと疼くのを感じて、私は激しく動揺した。
玄関の方に顔を向けると、昨日履いていたヒールはだらしなくひっくり返っているし、バッグも放置されている。
なんとも酷い有様だ。
「なんたる失態……」
私は昨夜の自分にがっくりして、玄関にバッグを取りに行った。
軽く腰を曲げてバッグを持ち上げながら、なんでこんなになるほど飲んだんだっけ?と首を傾げる。
部屋に引き返す間、昨夜の祝賀会を最初から思い起こしていって――。
「っ……!!」
部屋に足を踏み入れた途端に、記憶が全部戻ってきた。
その中で一番のショッキングな出来事が、最後に脳裏に浮かび、心臓がドクッと大きな音を立てて跳ね上げる。
その拍動が引き金になって、唇に押し当てられた柔らかい感触まで蘇ってきた。
「そ、そうだ、私! なんで、穂高君とキス……!」
動転して口走った言葉で、私はさらに慌てる。
体温が一気に二度くらい上昇したみたいに、全身がいきなりボッと火照り出す。
立っていられなくなって、私はその場にペタンと座り込んでしまった。
その姿勢のせいか、今も目の前に、薄く目を開いて私の反応を探る穂高君がいるような気がして――。
「っ!」
私のより少し硬い彼の唇が、下唇を食むように動いたことを、思い出してしまう。
身体の芯でなにかがきゅんと疼くのを感じて、私は激しく動揺した。