無愛想な同期の甘やかな恋情
「え?」
思わず顔を向けると、彼はハッと浅い息を吐く。
「冴島が、間中さんに片想いしてるのは、重々承知してる」
表情も変えずに言われて、私の方が口ごもった。
彼はもう一口おにぎりを齧り、ゆっくりと咀嚼している。
「それでもお前を好きになって、言わずにいられなくなった俺が悪い」
男らしい喉仏を上下させて、ゴクンと飲み込んでから、静かにそう続けた。
私は思わず、おにぎりを両手でぎゅっと握りしめてしまう。
「……ごめんね」
俯いてそれだけ呟く。
わずかな沈黙の後、彼がふうっと息をついた。
「バーカ。強引にキスされた冴島が、なんで謝る」
「そ、それはそう、だけど」
「……返事はいいけど、これは聞きたい」
短い逡巡の後、穂高君がポツリと呟いた。
それに反応して、私は再び彼の横顔に目を向ける。
彼は、手に残ったおにぎりの最後の一片を、ぽいっと口に放り込んでから、私を窺うように見遣った。
「ほとんど接点なかったはずなのに。お前、なんで、間中さんに惚れたの?」
斜めの角度から探りかけられ、私は一瞬ドキッとしてしまった。
でも、ここで答えるのを拒むのは、私を好きだと言ってくれた穂高君の前で、誠実じゃない。
思わず顔を向けると、彼はハッと浅い息を吐く。
「冴島が、間中さんに片想いしてるのは、重々承知してる」
表情も変えずに言われて、私の方が口ごもった。
彼はもう一口おにぎりを齧り、ゆっくりと咀嚼している。
「それでもお前を好きになって、言わずにいられなくなった俺が悪い」
男らしい喉仏を上下させて、ゴクンと飲み込んでから、静かにそう続けた。
私は思わず、おにぎりを両手でぎゅっと握りしめてしまう。
「……ごめんね」
俯いてそれだけ呟く。
わずかな沈黙の後、彼がふうっと息をついた。
「バーカ。強引にキスされた冴島が、なんで謝る」
「そ、それはそう、だけど」
「……返事はいいけど、これは聞きたい」
短い逡巡の後、穂高君がポツリと呟いた。
それに反応して、私は再び彼の横顔に目を向ける。
彼は、手に残ったおにぎりの最後の一片を、ぽいっと口に放り込んでから、私を窺うように見遣った。
「ほとんど接点なかったはずなのに。お前、なんで、間中さんに惚れたの?」
斜めの角度から探りかけられ、私は一瞬ドキッとしてしまった。
でも、ここで答えるのを拒むのは、私を好きだと言ってくれた穂高君の前で、誠実じゃない。