無愛想な同期の甘やかな恋情
「今日も、残って片付けなきゃいけない仕事あるんでしょう? だったら、昼はしっかり食べておかないと、夜まで戦えませんよ」
「篠崎君、やっぱり胃袋も若いのねえ……」
一年中どの季節も衰えない食欲を見せる二年下の彼に、感心というか呆れというか、よくわからない脅威を覚えて、私は「はあ」と息を吐いた。
「篠崎君、私のも食べていいよ」
なんとなくそう言うと、想定外に、「え!?」と弾んだ声が返される。
「いいんですか!? わーい、美紅さんと間接キ……」
「やっぱり、なし」
どこまで本気かわからない喜び方をする篠崎君にギョッとして、即座に撤回する。
「えー」と本気で残念そうな顔をする彼には苦笑を零し、私はムクッと身体を起こした。
そして。
「……あ」
食事を済ませたのか、トレーを持って下膳台の方に歩いていく二人の知り合いを見つけた。
一瞬、ドキッと胸が弾むのを感じながら、その姿を目で追う。
間中さんと糸山さんが、談笑しながら社食から出ていった。
別棟のラボにも一応社食はあるけれど、本社ビルに比べるとメニューが寂しいと聞いたことがある。
だから、お昼休みになると、連れ立ってこっちに来る研究開発部員が多いのは知っている。
「篠崎君、やっぱり胃袋も若いのねえ……」
一年中どの季節も衰えない食欲を見せる二年下の彼に、感心というか呆れというか、よくわからない脅威を覚えて、私は「はあ」と息を吐いた。
「篠崎君、私のも食べていいよ」
なんとなくそう言うと、想定外に、「え!?」と弾んだ声が返される。
「いいんですか!? わーい、美紅さんと間接キ……」
「やっぱり、なし」
どこまで本気かわからない喜び方をする篠崎君にギョッとして、即座に撤回する。
「えー」と本気で残念そうな顔をする彼には苦笑を零し、私はムクッと身体を起こした。
そして。
「……あ」
食事を済ませたのか、トレーを持って下膳台の方に歩いていく二人の知り合いを見つけた。
一瞬、ドキッと胸が弾むのを感じながら、その姿を目で追う。
間中さんと糸山さんが、談笑しながら社食から出ていった。
別棟のラボにも一応社食はあるけれど、本社ビルに比べるとメニューが寂しいと聞いたことがある。
だから、お昼休みになると、連れ立ってこっちに来る研究開発部員が多いのは知っている。