一目惚れの彼女は人の妻
「私、帰ったらお昼ご飯作りますね。充さんは、何か食べたいものありますか?」
そろそろお昼で、私自身お腹が空いて来たので聞いてみた。料理にはあまり自信がないのだけど。
「いや、自分で何とかするから大丈夫。それより宏美ちゃんは、家に帰った方がいいんじゃないか? せっかくの休みなんだから」
「帰ってもする事ないです」
彼氏はいないし。そう言えば、私の"彼氏いない歴"は何年だろう。ダメダメ男に引っ掛かって、縁を切ったのは就職の時だから……げっ、ちょうど10年だわ。
「だったら、体を休ませたらどうかな。昨夜も遅くまで頑張ったんだし」
「それを言ったら充さん、というか課長も同じですよね?」
「確かに。実はね、愛子を寝かして、私も横になりたいと思ってるんだよ。歳かな」
「歳だなんて、課長はまだまだお若いじゃないですか」
私ったら、考えが浅かったのかもしれない。
半年前に、劇症肝炎であっという間に亡くなってしまったお姉ちゃんの代わりに、上司で義兄の充さんと、姪の愛子ちゃんのお世話をするのが、私に出来るたったひとつの役目だと思っていたけど、充さんにとっては、逆に迷惑な場合もあるんだろうな。私は所詮、他人なのだから。
そろそろお昼で、私自身お腹が空いて来たので聞いてみた。料理にはあまり自信がないのだけど。
「いや、自分で何とかするから大丈夫。それより宏美ちゃんは、家に帰った方がいいんじゃないか? せっかくの休みなんだから」
「帰ってもする事ないです」
彼氏はいないし。そう言えば、私の"彼氏いない歴"は何年だろう。ダメダメ男に引っ掛かって、縁を切ったのは就職の時だから……げっ、ちょうど10年だわ。
「だったら、体を休ませたらどうかな。昨夜も遅くまで頑張ったんだし」
「それを言ったら充さん、というか課長も同じですよね?」
「確かに。実はね、愛子を寝かして、私も横になりたいと思ってるんだよ。歳かな」
「歳だなんて、課長はまだまだお若いじゃないですか」
私ったら、考えが浅かったのかもしれない。
半年前に、劇症肝炎であっという間に亡くなってしまったお姉ちゃんの代わりに、上司で義兄の充さんと、姪の愛子ちゃんのお世話をするのが、私に出来るたったひとつの役目だと思っていたけど、充さんにとっては、逆に迷惑な場合もあるんだろうな。私は所詮、他人なのだから。