一目惚れの彼女は人の妻
まさかの再会〜俊輔Side〜
俺は今、先輩の斎藤さんと歩いている。肩に掛けたショルダーバッグには、ついさっき仕上げたばかりの、アジェンダなんかが入っている。
「中山、名刺は持ったよな?」
「はい、もちろんです」
俺たちが向かっているのは、会社から歩いて行ける程近くにある、大手の出版社だ。
その会社の経理システムをリニューアルするにあたり、その開発を俺の会社が請け負う事になったのだ。
俺の会社は国内メーカー系の開発会社で、俺は一応SEだ。入社して6年経つが、経験がモノを言うこの業界では、まだまだ未熟な見習いSEだ。残念ではあるけども。
「おまえ、緊張してるだろ?」
「は、はい」
「まあ、今日のところは顔合わせみたいなもんだから、気楽にやればいいさ」
「はあ……」
経験豊富で、しかも経理システムに強い斎藤さんは気楽だろうけども、経理システムに携わるのが初めてで、しかも経理はど素人の俺には、緊張するなと言う方が無理だと思う。
お客様には絶対に言えないが、貸借とか仕訳とか、殆ど理解してないんだ。一応、勉強はしているのだけども。
「中山、名刺は持ったよな?」
「はい、もちろんです」
俺たちが向かっているのは、会社から歩いて行ける程近くにある、大手の出版社だ。
その会社の経理システムをリニューアルするにあたり、その開発を俺の会社が請け負う事になったのだ。
俺の会社は国内メーカー系の開発会社で、俺は一応SEだ。入社して6年経つが、経験がモノを言うこの業界では、まだまだ未熟な見習いSEだ。残念ではあるけども。
「おまえ、緊張してるだろ?」
「は、はい」
「まあ、今日のところは顔合わせみたいなもんだから、気楽にやればいいさ」
「はあ……」
経験豊富で、しかも経理システムに強い斎藤さんは気楽だろうけども、経理システムに携わるのが初めてで、しかも経理はど素人の俺には、緊張するなと言う方が無理だと思う。
お客様には絶対に言えないが、貸借とか仕訳とか、殆ど理解してないんだ。一応、勉強はしているのだけども。